手術当日に一番楽なのは、病院に付き添ってくれる人がいて車で送迎をしてくれる場合です。この場合ほとんどのことはクリアできると思います。でも、そんなに条件のそろった人ばかりではないでしょうし、本人が気をつけなければならないことも当然あります。
そこで今回は、どんなことが大変でどんなことに注意すべきなのかを書きたいと思います。もちろん人によって状況はさまざまなので、想像力を働かせながら参考にしていただければと思います。
※私が手術を受けたのは上腕で、季節は冬でした。それを前提に書いた記事です。
飲食は控えめに
全身麻酔だと前日の夜から飲食禁止になるのが一般的だと思いますが、局所麻酔の場合は飲食制限がありません。しかし、だからといって何も考えずに食べたり飲んだりするのはおすすめしません。私は手術中にトイレに行きたくなってかなり辛い思いをしたので、手術前の飲食は控えた方がいいと思います。私の感覚でいうと、手術の3時間くらい前から控えるといいかと思います。
トイレに関しては下記のブログも参考にしてみてください。
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手術とトイレ事情
局所麻酔は飲食制限がないけれど、手術中にトイレに行きたくなったら大変です。
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前開きのゆったりした服を着ていこう
手術後は腕をほとんど動かせないため、かぶるタイプの服は着られません。ですから当日は前開きのトップスを着ていきましょう。包帯を巻きますし、着やすさの点からも袖はゆったりしたものがいいです。
ちなみに私はシャツワンピを着ていったのですが、手術の際に「スカートやズボンは脱がなくていい」と言われ困ってしまいました。クリニックによるとは思いますが、上下ばらばらの服をおすすめします。
当然ですが、コートやジャケットもゆったりしていないと帰りに着られなくなります。着られないと荷物になってしまいますので気をつけてくださいね。寒さ対策にはストールのようなものが扱いやすいかも知れません。
荷物は少なめに。
手術当日に持っていくものは特にありません。診察券とお金くらいでしょうか。また、病院からもらうものも、痛み止めと包帯やガーゼ、クリニックによってはクリームなどの塗り薬くらいでしょう。ですから荷物はそれらが入る程度の大きさのバッグ一つで十分です。
片腕が使えない状況で、複数の荷物を持つというのは思いのほか大変です。(私は、肩がけできるA4サイズのバッグと斜めがけできる小さめのバッグの二つを持って行って後悔しました)
いまいち想像できないという方は、片方の手のひらをおへそに当てた状態で荷物を持ってみてください。電車やバスに乗るならICカードは片手で出せますか?クリニックで靴を履くとき、荷物を持ったまま履けますか?いったん置いてもいいですけど、持ち直すのは大変じゃありませんか?
※2回目の手術を受けたときは、そんなに荷物の多少は気になりませんでした。初めての手術だと大変に感じることが多いのかも知れません。
移動手段
まず、腕の手術をした場合に車の運転はできません。ですから他の誰かが運転してくれない限りは、タクシーか電車やバスでの移動になるでしょう。
タクシーを使おう
電車やバスではどうしても人にぶつかられてしまう心配があります。傷口が開いて病院に逆戻りなんてリスクを考えたら、タクシーを利用するのが一番です。その分のお金も手術費用だと思ってしまいましょう。
電車やバスの場合
タクシーの利用をすすめておきながら何ですが、私はバスで帰宅しました。地方であることとお昼過ぎという時間帯から、混まないだろうと予想したためです。しかし実際は、高齢者でほぼ満席でした。「これ以上混んだら降りよう」と思っていたら、病院の近くのバス停で一気に降りていきました。
このように、普段乗らない時間帯の交通機関は予想がしにくいです。電車やバスを利用する場合は、乗る曜日や時間帯の混み具合をリサーチしておくことをおすすめします。
徒歩なら安全か?
徒歩も意外と気を使います。
あなたは歩くとき、人にぶつからないように意識していますか?私はしていませんでした。ぶつかりそうになっても直前でよければいいですし、肩が触れる程度ならそんなに気にしません。ぶつかったら謝りますけど、朝のラッシュ時などいちいち気にしていられない状況もあると思います。
でも手術をしたら、人が押し寄せてくる感じに恐怖を覚えるようになりました。山から次々転がり落ちてくる岩をよけていくゲームをしている気分です。(ゲームはしませんし、そんなゲームがあるのかも知りませんが)
タクシーで帰るとしても、タクシーに乗るまでに混雑した場所を通ることも考えられます。あなたが乗る電車はすいていても、駅は人であふれている場合もあるでしょう。
できるだけ人通りの多くない道を選ぶ、タクシーはクリニックの前まで来てもらうなどの対策を考えましょう。
腕を吊ってもらおう
私は骨折したときみたいに腕を吊られました。麻酔が効いている間は痛みを感じないので、無理な動きをしないようにするためです。
しかしこれは、他にもメリットがあります。多少なりとも、周りの人が気を使ってくれることです。実際、バスの中では誰も私の隣の席に座りませんでした。
骨折しているわけでもないのに騙しているようだと後ろめたい気持ちになる人もいるかもしれませんが、手術したことは事実ですし自分の体を守るためには必要なことだと私は思います。
また、術後は浮腫みが出ることも多いようなのですが、家に帰ってからも外さず吊ったままにしておくと浮腫み防止にもなります。
腕を吊ってもらうことのデメリットはというと、あえて言うならコートがずり落ちてくることですね。一般的に腕を吊るときは上着を着ない状態で行うと思うので、片腕はコートの袖に通さないことになるからです。
とはいえ、たいしたデメリットではありませんから、ぜひとも吊ってもらうことをおすすめします。